キシモト トモノリ   Kishimoto Tomonori
  岸本 智典
   所属   鶴見大学  文学部 日本文学科
   職種   准教授
研究期間 2017/04/01~2021/03/31
研究課題 教育思想史のメタヒストリー的研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(B)
科研費研究課題番号 17H02673
研究者・共同研究者 相馬 伸一,椋木 香子,尾崎 博美,河野 桃子,高宮 正貴,鈴木 宏,関根 宏朗,岸本 智典,小山 裕樹,綾井 桜子,生澤 繁樹,日暮 トモ子,下司 晶,室井 麗子
概要 令和元(2019)年度においては、共著への寄稿5点、論文11点(共著1を含む)、学会発表11(国際学会1、共同6を含む)という実績があがった。以下、概略を記す。 研究組織共同の取り組みとしては、2019年9月13日(日)、立教大学池袋キャンパスで開催された教育思想史学会第29回大会で「〈教育思想史〉の誕生(4)--フランスとアメリカにおける教育学的カノンの形成--」と題してコロキウムを実施した。 前半では、関根宏朗(明治大学)が、本研究が掲げる方法論的視点を再検討する意図から、ヘイドン・ホワイトの『メタヒストリー』に対するギンズブルグやフリードランダーらによる批判とそれに対するホワイトの応答等を通して、アウシュビッツ・ヒロシマ以降に(教育)思想史を問うことの意味を再考した。 後半では、フランスとアメリカにおける教育思想史記述のカノン形成について扱い、綾井桜子(十文字学園女子大学)が、19世紀末に小学校教師養成のために用いられたコンペーレの 『教育学の歴史』を中心に、人物の選択やメタファーの使用といった思想史叙述の特質、スペンサー等の進化論的教育論の影響等の哲学的・思想的背景、教育の世俗化というフランスに特有な歴史的・社会的・制度的文脈との関連における教育思想史の位置について論じた。アメリカでは、19世紀半ば文明史的特徴をもつ教育思想史テキストが成立していたが、岸本智典(昭和音楽大学)が、20世紀初頭にかけて、教職の専門職化に対応した教育思想史叙述の典型としてポール・モンローを取りあげ、当時の知的・社会的背景も視野に入れつつ、教育思想史叙述の特徴に論及した。 このほか、岸本智典がアメリカに資料調査に訪れた。研究代表者の相馬伸一(佛教大学)が、本研究の成果として2018年に発行した『コメニウスの旅 〈生ける印刷術〉の四世紀』は、第16回佛教大学学術賞(社会科学部門)を受賞した。