ニフジ アキラ   Nifuji Akira
  二藤 彰
   所属   鶴見大学  歯学部 歯学科 薬理学
   職種   教授
研究期間 1996
研究課題 胚の骨格形成過程におけるBMPの標的分子の探索
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 奨励研究(A)
科研費研究課題番号 08771561
キーワード 骨格形成, BMP, 体節, 発生学
代表分担区分 研究代表者
代表者 二藤 彰
概要 TGFβスーパーファミリーに属するBMP(BoneMorpgogenetic Protein)はその骨形成因子としての活性のみならず、初期胚の背側複側決定、上皮・間葉相互作用など多くの生物現象において重要な役割を果たす事が示唆された。我々は鳥胚発生系を一つのモデルとして、骨格組織の初期発生におけるBMPの役割に焦点をあわせている。これまですでに体幹中心軸骨格組織(脊椎骨、肋骨)発生初期において、胚中心軸の間葉、上皮、神経管においてBMP4の発現が観察され、同部位にBMP2あるいはBMP4タンパクを埋入すると組織レベルで細胞の凝集パターンに変化が生じ、さらには脊椎骨・肋骨の形態の変化が生じることを見いだした。今年度はその研究を更に発展させ、BMP受容体の局在の解析とBMPの標的と考えらる幾つかの分子の発現の変動についての検討を行った。そのためにまずI型BMP受容体のトリモログのクローニングを行いBMPR1AとBMPR1Bの部分cDNAを得た。得られた配列はトリBMPR1AはマウスBMPR1Aとアミノ酸配列で82%の相同性を示しトリBMPR1BはマウスBMPR1Bと98%の相同性を示した。それらを用いてin hybtibizationを行ったところ、どちらも体節形成期において神経管と体節の背側に発現が見られた。特にBMPR1BはBMPR1Aより限局した局在が見られた。BMPタンパクを埋入することにより起こる変化については、Msx2,Myf5,BMP4などの体節背側の間葉並びに上皮に発現する分子の誘導が見られ、一方体節腹側に発現するPax1ではその発現が抑えられた。これらのことから体幹中軸組織の発生初期においてそのリガドンと受容体の発現が見られるBMPは、体節においての背腹側のパタ-ニングを制御することで以降の体幹中軸骨格の形態形成に関与していることが示唆された。