ニフジ アキラ   Nifuji Akira
  二藤 彰
   所属   鶴見大学  歯学部 歯学科 薬理学
   職種   教授
研究期間 1995~1997
研究課題 上皮・間葉相互作用による歯の形成・分化に関わる遺伝子の発見及び機能に関する研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(A)
科研費研究課題番号 07557112
キーワード サブストラクション法, 間葉, BMP, スクリーニング, 歯胚, noggin, 上皮, 歯, 幹細胞様細胞株C1, 上皮・間葉相互作用, アメロゲニン, 遺伝子発現, 分化, シグナル, in situ hybridization
代表分担区分 研究代表者
代表者 二藤 彰
概要 本研究においては、胎生期のマウスより歯胚を取り出し、上皮と間葉系を分離の後、更に共存させて複合培養を行った。実験には13日及び16日の初期胚のマウスの歯胚を用いた。培養再構成組織より、total RNAを抽出し、polyA・RNAを調整後、サブトラクション法によって、上皮から間葉ならびに間葉から上皮へのシグナルを伝達する分子の候補となるcDNAを選択し、陽性のクローンを得ることができた。これらの歯胚の組織においては、肝細胞増殖因子が存在していることがこの研究の過程で明らかになった。Differential Display法を用いたサブストラクション法によって得られたcDNAについては、配列を決定し、データベース検索を行った。また、歯胚のエナメル形成に重要な機能を果たすと考えられているアメロゲニンの遺伝子の全長ならびに5'上流領域の6Kbのクローニングとその全塩基配列の決定を行った。更にマウスの胎児生腫瘍細胞である多能性幹細胞様細胞株C1を用い、その遺伝子ライブラリーを作成し、このライブラリーよりスクリーニングを行って、noggin遺伝子のクローニングを行った。塩素配列の決定により、nogginの全長のうちC末端側約110アミノ酸の部分をコードする部分のフラグメントが取れたことを確認した。このcDNAのフラグメントを用いてin situ hybridizationを行い、nogginは上皮から間葉、または間葉から上皮のシグナルを伝達する分子群の中で、BMPのアンタゴニストとして作用するとされる仮説を裏付ける結果が得られた。今後更にBMPの標的について検討を行うことにより、歯胚を始めとする胎児の組織の形態形成の場におけるシグナル分子の解析を行うことが期待できる。