ニフジ アキラ   Nifuji Akira
  二藤 彰
   所属   鶴見大学  歯学部 歯学科 薬理学
   職種   教授
研究期間 2004~2006
研究課題 BMP抑制分子の制御を介した骨形成モデルの基盤研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(B)
科研費研究課題番号 16390521
キーワード 抑制分子, BMP, 骨芽細胞, 骨形成
代表分担区分 研究代表者
代表者 二藤 彰
概要 BMPによって発現誘導される抑制分子を網羅的に探索し、その上で、個々抑制分子の発現、機能の差異を明らかにすることを目的とした。 BMPによって誘導されるBMP抑制分子の網羅的発現解析 間葉系細胞10T/2細胞に対して、BMP2.5,6,5/7のそれぞれを作用させ、BMP抑制分子の遺伝子発現を網羅的に調べた。Noggin、Sost、PRDCがBMP刺激に反応的して遺伝子発現が上昇した。またUSAG1,Twsg,oer, Grem, DANは発現レベルが変わらないか、むしろ減少した。 Sostの発現と機能 Sostは頭釜骨の骨形成部位に特異的に発現が認められた。骨芽細胞の分化において特異的に発現上昇すするが、Nogginを作用させるとSostの発現が抑えられることから.内在性BMPシグナルがSostの発現の維持に必要と思われた。Sostの発現を8iRNAにて抑制したところ.転写因子Osterixの発現が有意に減少した。 siRNAによる抑制分子Noggin、PRDCの発現抑制 NogginとPRDCに対するsiRNAを複数設計し、細胞に遺伝子導入し、抑制分子の遺伝子発現レベルを調べたところ、PRDCについてはPRDC880>373>367、NogginについてはNoggin2>Noggin4で強い抑制が認められた。 NogginのsiRNAによる影響 NogginについてはALPの遺伝子発現ならびに酵素活性はsiRNAによって有意な変化は認められなかった。 PRDCのin vivoにおける発現と機能 マウス胎生期におけるPRDCの発現の局在を調べたところ脊椎骨、頭藍骨の原基での発現が認められた。骨芽細胞と間葉系幹細胞を用い、アデノウイルスを用いてPRDCの過剰発現を行った。PRDCを過剰発現させたすべての細胞で、ALPとosteocalcin、転写因子Id1の発現抑制が認められ石灰化も有意に抑制された。 PRDC siRNAの骨芽細胞の分化形質に及ぼす影響 siRNA PRDC880によってPRDCの遺伝子発現抑制したところALPの発現促進と酵素活性の上昇、石灰化の促進が認められた。すなわちBMPによって発現促進されるPRDCが骨芽細胞分化およびBMPの作用に対して抑制的な働きを持つことが観察され、BMPとBMP抑制発子のバランスが骨芽細胞分化過程において重要な役割を果たしていることを示唆している。