ニフジ アキラ   Nifuji Akira
  二藤 彰
   所属   鶴見大学  歯学部 歯学科 薬理学
   職種   教授
研究期間 2004
研究課題 新規抗リウマチ治療の為のインテグリンOPNシグナル阻害の研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 萌芽研究
科研費研究課題番号 16659405
キーワード 関節軟骨, LDH, TNFα, オステオポンチン, 関節リウマチモデル, アデノウィルス, アポトーシス
代表分担区分 研究分担者
代表者 野田 政樹
概要 リウマチモデルとしての抗II型コラーゲン抗体カクテルを用いた関節炎の誘導に際してオステオポンチンのノックアウトマウスにおいてはこの関節炎の表現型である関節の腫脹のレベルが抑制され、また腫脹する関節の数から見た頻度(関節炎スコア)においても抑制が認められる。さらには関節軟骨表面の軟骨の粗造化をもたらす軟骨基質のプロテオグリカンの量の低下および関節軟骨の細胞のアポトーシスの関節炎による亢進に対するオステオポンチンの欠失による抑制がそれぞれ観察される。以上のことからオステオポンチンの作用を阻害することにより、関節リウマチモデルにおける軟骨破壊の抑制が可能となることが想定されこの点についての検討を行った。即ち軟骨細胞を野生型のマウスおよびオステオポンチンノックアウトマウスより調整し細胞培養を用いてこの軟骨細胞に対する直接的なTNFαによる作用がOPNの分子機能の欠失によって阻害できるか否かを検討した。まずオステオポンチンのノックアウトマウスならびに野生型よりえられた軟骨細胞のTNFαによるLDHの放出を指標とした細胞死について観察した。この結果LDHのTNFαによる細胞外への流出は野生型では促進されたがオステオポンチンのノックアウトによってそのレベルが減少した。即ちTNFα依存性の細胞のアポトーシスがオステオポンチンの活性の阻害により抑制することが明らかとなった。この作用は細胞培養条件でおきることから生体の他臓器に対する作用を介した間接的なものではなく、細胞に対する直接的なものであることが明らかとなった。さらにこの作用の用量依存性の検討を行った結果TNFαの濃度に従って野生型ではアポトーシスが亢進し、そのいずれの濃度においてもオステオポンチンの欠失がLDHの培養液中への流出を抑止することが明らかとなった。さらにアデノウィルスによるオステオポンチンの強制発現によりノックアウトによるアポトーシスの阻害が解除され、OPNの阻害の特異性と有効性が明らかとなった。