サトムラ カズヒト   Satomura Kazuhito
  里村 一人
   所属   鶴見大学  歯学部 歯学科 口腔内科学
   職種   教授
研究期間 2004~2006
研究課題 骨髄間質・末梢血由来体性幹細胞の多分化能維持機構の解明とその再生医療への応用
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(B)
科研費研究課題番号 16390591
キーワード 分化誘導, 幹細胞, 組織再生, 体性幹細胞, 骨髄間質細胞, 多分化能, 再生医療
代表分担区分 研究分担者
代表者 長山 勝
概要 まず、マウス骨髄より複数の骨髄間質細胞株を新たに樹立した。これらの細胞株を種々の細胞増殖因子、ビタミンおよび細胞外基質を利用して培養することにより、骨芽細胞、軟骨細胞、筋細胞、脂肪細胞(以上中胚葉系機能細胞)、神経細胞(外胚葉系機能細胞)および肝細胞(内胚葉系機能細胞)に分化誘導する方法の確立に成功した。興味深いことに、本誘導条件下においてはほぼ100%の細胞を神経細胞および肝細胞に誘導できた。このことから、骨髄間質中には多分化能を有する成体幹細胞が存在していることが確かめられた。さらにこれら、in vitroにおいて多分化能を示す複数の骨髄間質細胞株にgreen fluorescent protein(GFP)の遺伝子を導入し、GFPの安定発現株を樹立した。その際一部GFP遺伝子の導入により分化能に変化が見られる細胞株が存在したため、再度in vitroにおける検討を加えた後、多分化能を有する細胞株を免疫不全マウスの皮下、筋肉内、脳内、肝臓内および人工的に作製した骨、軟骨欠損部や脊髄損傷部に移植し、経時的に移植した部位の組織、臓器を回収し、移植した細胞の局在、分布につき組織学的検討を進めている。また、本研究で新たに樹立した複数のマウス骨髄間質細胞株の中に、完全な多分化能を有する細胞株と限定的な多分化能しか有さない細胞株が存在したため、これらの遺伝子発現の差に注目して、未分化能性の維持に関係していると考えられる分子の探索を継続中である。