ハマダ ヨシキ
Hamada Yoshiki
濱田 良樹 所属 鶴見大学 歯学部 歯学科 口腔顎顔面外科学 職種 教授 |
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研究期間 | 2008~2009 |
研究課題 | 網羅的T細胞レセプター解析による口腔癌リンパ節転移機構の解明 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 挑戦的萌芽研究 |
科研費研究課題番号 | 20659319 |
キーワード | 口腔癌, 腫瘍浸潤リンパ球, リンパ節転移, 腫瘍免疫, T細胞受容体(TCR) |
代表者 | 濱田 良樹 |
概要 | 前年度までに臨床サンプルの採取およびTCRレパトア解析は終了しており、本年度は原発巣とリンパ節転移巣で腫瘍抗原に免疫応答している特異的T細胞のシークエンス解析を行った。その結果、原発巣とリンパ節転移巣間で異なるTCR遺伝子を持つT細胞がそれぞれ浸潤しており、リンパ節転移に伴う腫瘍免疫応答の変化が示唆された。また、各組織におけるT細胞の性状ならびに産生サイトカインの遺伝子発現量を明らかにするため、定量PCR法を用いて解析を行った。その結果、リンパ節転移巣ではCD8ならびにTh1型サイトカインの有意な高発現が認められず転移巣周囲では細胞障害性の免疫応答が起こっていないため、転移を伴う口腔癌では周囲の免疫応答を回避もしくは減弱させていることが示唆された。以上の結果をもとに、2009年10月に海外学会発表を行っている(American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons 91st Annual Meeting K.Kumagai, Y.Hamada et al;2009年10月15日)。現在は本研究結果をもとに論文作成を行い、査読付きの海外医学雑誌に投稿中である。今後の展望としては転移陰性リンパ節においてもモノクローナルなT細胞が認められていたことから、口腔癌の微小転移マーカーを用いて遺伝子発現の解析を行うことで、口腔癌微小転移に伴う免疫応答との関連性についても考察することが可能であると考えており、さらに研究を進めていく予定である。 |