ニフジ アキラ
Nifuji Akira
二藤 彰 所属 鶴見大学 歯学部 歯学科 薬理学 職種 教授 |
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研究期間 | 2004~2005 |
研究課題 | 四肢の発生における骨・軟骨制御因子の役割の解明 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 特定領域研究 |
科研費研究課題番号 | 16027215 |
キーワード | 抑止分子, ホルモン, BMP, CIZ, 転写, Tob, 接着, エストロジェン, 石灰化, 骨・軟骨, 骨の形成 |
代表分担区分 | 研究分担者 |
代表者 | 野田 政樹 |
概要 | 本研究の目的は、CIZの発生における骨・軟骨制御因子の役割の解明に向けてBMPの修飾因子の機能を解明することである。四肢の形態の決定には前後軸、遠近軸、さらには背腹軸を決定する分子が存在するが、特に腹側の決定に関わる分子にBMPが挙げられる。BMPはこれまで、Noggin、コルディン、セルブルス、ダンなどの細胞外での抑止分子や細胞内でのSmad6、Smad7などが知られていた。本研究においては、細胞接着斑に存在しまた転写機能も持つCIZがBMPの生体内における抑止分子として働くことを以下のごとく明らかにした。CIZのノックアウトマウスにおいては、マイクロCTによる解析に基づいた海綿骨の形態の解析により骨量の増加が明らかになった。また長管骨の骨間患部においても、あるいは脊椎骨の椎体においてもこの骨量増加は観察された。ノックアウトマウスの骨芽細胞のアルカリフォスファターゼの定常状態のレベルは野生型よりも高く、またBMP存在下での骨芽細胞の分化レベルも高まっていることが見出された。さらに、BMPの直接投与に対する骨形成の統制を観察すると、CIZノックアウトマウスにおいて形成骨が優位に大きく、したがって生体内においてBMPのシグナルがCIZによって抑制されていることが判明した。以上のごとく、CIZは新たなBMPの抑止分子であり、BMPの応答配列であるGCCGを持つルシフェラーゼの活性に対する検討からCIZが直接的に転写に関わることが示された。このような分子が、骨の形態の決定に際し特に海綿骨系の形態形成の成体における主要な役割を持つことが推察された。 |