サトムラ カズヒト
Satomura Kazuhito
里村 一人 所属 鶴見大学 歯学部 歯学科 口腔内科学 職種 教授 |
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研究期間 | 1991~1992 |
研究課題 | 骨芽細胞の遺伝子発現調節機構とその骨形成過程における生理的、臨床的意義 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 一般研究(B) |
科研費研究課題番号 | 03454468 |
キーワード | リン酸化, 骨芽細胞, Mineralized Nodule, 骨形成, 石灰化, 骨髄間質細胞, 石炭化, 軟骨細胞, サイトカイン, ヒト骨芽細胞, 大理石骨病, PDGF, 遺伝子発現調節 |
代表分担区分 | 研究分担者 |
代表者 | 長山 勝 |
概要 | はじめに、PDGFによるヒト骨芽細胞の増殖促進機構と遺伝子発現への影響を検討した。その結果、増殖促進機構にPDGFレセプターの持つチロシンキナーゼ活性とそれによるレセプターのチロシンリン酸化、および細胞内タンパク質のリン酸化が関与している可能性が示唆された。また、c-myc mRNAが一過性に上昇する傾向が認められたが、明らかなシグナルとしてはとらえられず現在実験を追加中である。次に、より生体内に近い骨組織形成を再現できればとの考えからヒト骨芽細胞をディフュージョンチャンバーに封入し実験動物に移植する方法でinvivoでの骨形成系の確立を試みた。その結果、チャンバー内に生体内で見られる石灰化と似した過程からなる石灰化物の形成を確認することができた。さらに、骨形成細胞に分化し得る細胞の存在する骨髄間質細胞培養系を用いて、形成されたmineralized noduleの検索を行なった。mineralized nodule中には骨芽細胞および幼若な骨細胞に類似した細胞が認められ、また多数の基質小胞 石灰化球が存在するとともに石灰化が周囲のコラーゲン細線維に沿って進行しているのが確かめられた。大理石骨病は、破骨細胞の分化や骨のリモデリングにおける骨芽細胞の役割を研究する上で重要である。そこで大理石骨病患者から得られた骨組織を形態学的に観察したところ、本疾患患者の骨は層板構造がきわめて不規則であり正常な骨リモデリングが行なわれていないことが推察された。また、破骨細胞はほとんど認めず骨全体としてviabilityに乏しいことが判明した。一方、骨の成長には骨芽細胞の他にも軟骨細胞が関与している。ニワトリ胚成長板由来で肥大軟骨細胞の性質をもつ細胞のレチノイン酸による増殖促進と脱分化機構におけるCキナーゼの関与について検討し、Cキナーゼによる細胞内のタンパン質リン酸化がレチノイン酸の作用の発現もしくは調節に関与している可能性が示唆された。 |